るさんちまんこ

私ってほんと天才

愚の骨頂

私は愚かだった。そんなことは知っていた。自らを傷付けることをあまりにも恐れたために、私を傷付けないことにかけては揺るぎない信頼をおいている友人で周囲を固め、万全の体制でやっと、命を取り止めていた。そのように弱々しい生命を試すように、どこまで火傷をしないか、その熱さに手を引っ込めないか火で炙るように、痛めつけることを、時折やってのける。
私を突き動かすのは、あいも変わらず憎悪だ。もちろん、愛とか希望が、私の心を満たし、それによって導かれる安寧が、私を善き人間としてこの世に生きながらえさせる。
ところが、獅子身中の虫は騒ぎ、おこりをおこしたように言う、私を取り巻いているこの世は、相変わらず憎むべきであると。その証左を求めて、私はわざわざ、私を理解し得ない男根の肉塊にさえ対峙する。多勢に無勢で、私がいかに気が狂っているかということを、いかに私が愚かで、彼らを諭すことができるほど聡くない無力、己の無知を思い知らされると、知っておきながら、自ら刃を持ち己の自尊心を傷付けるためだけに、社会は私を理解し得ないし、いかに私が自分の生活範囲内だけで安寧を獲得していたとしても、その周囲で起こっている事柄は常に絶望にあふれているということを確認させるためだけに、私は彼らと対峙する。


いつの日かジェンダーの神が私の手を取り、この世に跋扈するのは絶望だけではないと教えてくれる日を夢見ている。いつの日か私がジェンダーの神の啓示を聞き、私の内なる才を開花させ、この世に絶望を蔓延らせている彼ら男根の耳を傾かせ、我々の福音を響せ、希望の世を作り出せたらと夢見る。私はそれまで、ただ夢見るだけで、己の愚かさを研ぎ澄まして自分を傷付け、社会への精神の門戸を堅牢に閉ざすためだけに、彼ら理解なき男根との邂逅を試みる。
この茶番において私は、情け無き世が理性を失したきちがい女の涙と一笑に伏すところの哀れなパフォーマンスをする。確認するまでもなく、私は誰より愚かだった。


あなたがたに人間の心が少しでも残っているのならば、あなたの目の前の人間は何にそれほどまでに傷付いているのかを考えよ。あなたに微塵の罪悪感もないのならば、目の前の罪なき人を傷つけているのは、ともするとあなたに与えられた特権なのかもしれない。その人を傷付けたくないと考えるほどの心があなたに残されているのならば、その特権とは何かを考えよ。あなたの目の前で愚かしくも「女々しい」パフォーマンスをやってのける人は、何に絶望しているのかを想像する、その寸分の時間を惜しんでくれるな。
ジェンダーの神よ、なぜこれほどまでに愚かなる私を試す。なぜ彼らを見棄てる。道をお示しください。道をお示しください。